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アンケート結果「第7回医療安全活動における事務職員の関わりについて」

2022年11月28日から12月18日の期間に
MRM室のサービスをご利用いただいた皆様に実施した

「医療安全活動における事務職員の関わりについて」
のアンケート結果を報告いたします。

※23病院(病院と回答者の属性は結果のQ1~3参照)からご回答いただきました 

➥Q1~Q3はこちら


~ アンケート結果から考えられる事務職が活躍するためのための工夫~


■事務職員の活躍状況はどのタイプ?

 アンケート結果から、事務職員は、病院によって様々な形で医療安全管理に関わっており、Q7・Q10・Q11の回答から、大まかに次の3つのタイプで活躍していることが推察されました。
 まずは、自施設の事務職員の活躍状況はどのタイプに近いか考えてみましょう。

Type 説明 典型例
①パートナータイプ
医療安全管理者のパートナーとして、同等の役割を担う ・院内の医療安全対策委員会での司会進行やインシデント報告、改善などに意見を出している
・インシデント報告の確認で中心的な役割を果たす
業務分担タイプ
事務職員が主体的に活躍できる業務を分担する ・患者サポートを含む対応に同席
・外来患者のクレームの初期対応
・医療事故調査などの書類の準備や連携
作業協力タイプ
医療安全管理者から依頼された作業を担う ・画像所見確認や肝炎ウィルス患者対応など患者抽出作業や基本情報収集作業
・アンケート集計入力作業、マニュアルの印刷製本、会議資料作成補助

 自施設の事務職員の活躍状況のタイプを見極めると、業務を分担したり依頼しやすくなります。また、現在のタイプのまま業務を続けていくだけでなく、医療安全管理者が、事務職員に目指してほしいタイプの業務を具体的に示すことで、事務職員も、自身に求められている役割が理解でき、目標が立てやすくなるでしょう。

■■事務職員の医療安全管理への関わり方と研修受講の関係は?考えるリッスン

アンケートのQ5では、医療安全管理部門に所属する事務職員が、医療安全管理に関する研修を受講している割合は全体の約3割で、約5割の事務職員は受講していませんでした。
 また、事務職員が兼任か、専任・専従かによって、研修受講状況に大きな違いは見られませんでした。➥Q5はこちら

■■■フリーアンサーから読み取れること

「Q10 あなたの施設の医療安全活動で、事務職員が活躍している業務やエピソードがあったら教えてください」では、99床未満や、100~199床、200~299床などの比較的中小規模の病院で、事務職員が医療安全管理で活躍されていることがわかりました。300床以上の病院では、事務職員が得意とする業務や、事務作業を中心に行っている傾向がみられています。                         ※詳しくは太字部分をご参照ください。➥Q10はこちら

 一方で「Q11 医療安全活動における事務職員の関わりについて、ご意見をお聞かせください」では、比較的規模が大きい300床以上の病院から、

「正職員の事務の方には(医療安全管理者養成研修を)受講していただきたい」
「調整役としての事務部門は大きな役割を果たせる」
「医療技術職ではない目線で意見をいただき、ハッとさせられることがある」
「組織的に継続的に取り組むためには、事務部門の主体的にスピーディな対応が鍵」

という回答がみられました。
 多くの病院で、医療安全管理部門では、事務職員のパートナーとしての活躍を求める声も多く聞かれています。                    ※詳しくは下線部分をご参照ください。➥Q11はこちら

 また、事務職員の回答者からは「40時間研修の受講は難しいとしても、医療安全関連の役立ち情報などの研修への参加を考えたいと思った」という前向きなご意見もみられました。

 事務職員は、医療安全管理部門に配属されても、医療安全管理者とは異なり、自身に求められる役割や業務について悩んでいるという話も耳にします。医療安全管理者養成研修は、主催団体によっては、医療職に限らず広く門戸を開いている研修が増えています。事務職員に、多くの医療安全管理部門のスタッフが求める活躍をしていただくためにも、医療安全管理に関する研修の受講を勧めることを検討してみましょう。
 事務職員の皆さんも、配属されて求められる役割や目標を見出すきっかけになるかもしれません。

納得のリッスン









<結果>~回答していただいた病院の基礎データ~

(1)病床(Q1)

事務職員:病床数

(2)医療安全対策加算の算定状況(Q2)

事務職員:医療安全対策加算算定

(3)回答者の職(Q3)

(4)事務職員の医療安全管理の役割(Q4)

事務職員:役割


<結果>~医療安全活動における事務職員の関わり~


(1)医療安全管理部門に配属された事務職員は、医療安全管理に関する研修を受講していますか。(Q5)

事務職員は医療安全講習を受講しているか

(2)あなたの施設では、事務職員が医療安全活動に参加していますか。(Q6)

事務職員は医療安全活動参加しているか

(3)事務職員が参加している医療安全活動について教えてください(複数回答可)(Q7)

Q7参加している業務

(4)事務職員が医療安全管理部門のチームの一員として、もっと医療安全活動で活躍してほしいと思いますか。(Q8)

事務職員が医療安全管理チームの一員として活動してほしいか

(5)事務職員にもっと活躍してほしい医療安全活動についてお答えください (Q9)

Q9活躍してほしい業務

(6)あなたの施設の医療安全活動で、事務職員が活躍している業務やエピソードがあったら教えてください(Q10)

◆会議と企画サポート
・会議録の作成、M&Mカンファレンスの企画運営
(300~399床)
・医療安全推進週間における啓蒙活動の参加。ポスター配布や職員に携帯してもらうカードの作成(400床以上)
アクシデント事例分析への参加。委員会や地域連携カンファレンス等の司会進行係・データー集計の際のアドバイザー(100~199床)

◆データ管理サポート
・研修受講者把握のための集計作業を一人でコツコツとエクセルに入力して集計していましたが、事務職員が研修受講時の認証システムを作成し、集計結果をもらうことが出来るようになったため、作業効率が上がった。(200~299床)
・画像所見確認や肝炎ウィルス患者対応など患者抽出作業や基本情報収集作業。アンケート集計入力作業など。マニュアルの印刷製本。会議資料作成補助。(300~399床)
・医療安全管理者がアナログ人間であること、事務員はデータ処理を得意とするため例えば、看護部長から転倒データ〇年分請求依頼があった際、迅速に対応してもらっている。医療安全対策講習会アンケート集計を失念していたが、「やっておきます」と自主的な発言があり助かった。(300~399床)

◆インシデント報告確認
・インシデント報告の確認は中心的な役割を果たしています。(300~399床)
院内の医療安全対策委員会での司会進行やインシデント報告、改善などに意見を出している。インシデント報告の確認は中心的な役割を果たしています。(99床未満)

◆患者サポート
患者サポートを含む対応に同席。医療事故調査などの書類の準備や連携。外来患者のクレームの初期対応。(200~299床)
・クレームの窓口を事務方が担当。(99床未満)

◆院内研修サポート
・院内研修「セキュリティー教育研修」を実施。院内アンケートの統計表(エクセル)を作成(300~399床)


(7)医療安全活動における事務職員の関わりについて、ご意見をお聞かせください。(Q11)

✤メンバーとしての役割に関するもの
・委託職員には医療安全管理者の研修受講までは望んでいませんが、正職員の事務の方には受講していただきたいと思います。(400床以上)
・調整役としての事務部門は大きな役割を果たせると思います。(300~399床)
・もっとたくさんの事務職の職員が積極的に関わってくれるといいと思う。(99床未満)
・その病院の考え方によるのかもしれませんが、医療安全活動をほぼワンオペレーションで担うことの大変さや医療安全活動をもっと看護部長や病院管理者が理解していただきたい。(400床以上)
・書類の準備作成面はもちろんであるが、研修の準備や運営にも黒子的に協力して頂ける等、医療安全に関わる事務員はいわゆるPC処理のスキルがあれば良いのではなく、医療安全に関する研修を受けその活動の目的を共有できることが前提。(200~299床)
クレームの窓口を担当しているので、研修を是非受けて、個人のパフォーマンスも上げてほしい。(99床未満)
・ほとんど活動していない。看護師の負担だだけが大きい。事務の研修義務付け、算定要件に含ませる等の取り組みをお願いしたい。(100~199床)
・①個人情報保護に関すること ②苦情相談に関すること ③災害時の対応  ④電子カルテシステムに関すること ⑤ハラスメント対策などの活動をしているが、組織的に継続的に取り組むためには、事務部門の主体的にスピーディな対応が鍵と言える。(300~399床)
医療技術職ではない目線で意見をいただき、ハッとさせられることがあります。医療職の中でもより他覚的に視点で、患者目線での意見が頂ける貴重な存在。(100~199床)

✤業務分担に関するもの

・医療安全室の専従ではないため、業務を委任しにくい。医療安全管理者の作業は事務作業が多いが、自分と専任看護師の2名で行っている現状があり、専属で事務職員がいると、業務量が軽減すると考えられる。(300~399床)
・医療安全管理者は、現場でのトラブル解決やインシデントのヒヤリング、報告書、議事録などの文書作成などに時間を割くため、複雑な判断の要らない作業は事務職員が処理するほうが効率がよいと思う。(300~399床)
・医療安全管理者が事例対応やインシデントレポートの内容を精査していくために関連部署への連絡や院内へのインフォメーション、データ整理等、活動の場は多い。施設が医療安全管理者とその周辺業務をどう捉えるかによって変わると感じる。(400床以上)

✤医療安全活動への意識に関するもの

・担当している事務職員以外の多くは、医療安全とはあまりかかわりがないという認識の職員が多いと感じる。病院職員すべてが医療安全活動に重要な役割を担っていることを理解してもらいたいと感じている。(200~299床)
・着任後4年目に入るが、基本ルーティン業務に徹するところがあり発展的でない。人材育成の要は医療安全管理者にかかっているが、自身も業務に追われ、関り不足が要因であると考えている。このアンケートを実施し、40時間研修の受講は、難しいとしても医療安全関連の役立ち情報などの研修への参加を考えたいと思った。(Off-jt)(300~399床)
・医療に関する知識が少ないため、医療安全活動に消極的であるように感じる(400床以上)

                                               以上

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